ブラジルで発行されている代表的な週刊誌「ヴェージャ」誌の先週号に日本における自殺の流行について書かれた記事があったのでその要点を紹介する。
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「自殺者たちの天国」Ariel Kostman
日本での自殺はある程度社会的に許容されている。また、それは伝統でもある。
インターネットで知り合った20台7人の男女による車中での一酸化炭素中毒による集団自殺事件があった。同じ頃別の場所では二人の女性が同様のやり方で死んでいるのが見つかった。
ショッキングな事件であったが、警察ではさほど驚いてはいない。というのも、今年だけで20人、同じ方法で自殺しているからだ。これらすべてが、インターネットを通じて同意しあった計画心中によるものだ。最近この国に広まった悲しい流行である。
この10年、日本における自殺者の数は年に10%の割合で増加し、2003年には34,000人に達した。これは、人口10万人あたり25人という、先進国中で最も高い割合である。アメリカ合衆国の2倍以上、ブラジルの6倍にも達する。日本では、自殺は20台の死亡原因のトップでさえある。
この自殺の流行については、一つには日本の文化に原因がある。また、13年にわたって続いている不景気とも関連している。まず第一の論点であるが、自殺は古くからのこの国の伝統でもある。(以下、武士の切腹の伝統、歌舞伎における心中物の流行、そして第二次大戦の特攻攻撃などについて叙述)
自殺という儀式は歴史に根ざすものではあるが、西洋社会とは異なり日本社会は自殺に対して寛容であるため、いとも簡単に実行されてしまう。日本の支配的な宗教である仏教も神道も、自殺を罪とはみなさない。この行為を非難するどころか、ある状況を解決する一つの方法として称賛することも多い。(以下、病気の老人が家族に迷惑を掛けたくないからと自殺する例、及び家族を受取人として自分に保険をかけて自殺する例などについて解説)
もう一つ、日本における高い自殺率の原因とされるのが社会の厳しさである。日本社会は名誉や恥に極端に重きを置く社会である。閉鎖的な社会であるので、学校でいじめにあった生徒が親にも教師にも話せずに悩んだ末自殺してしまうケースも多い。また少なからぬ若者が長く続く不況のせいで将来に悲観的になっているという説もある。
最近になって、日本の公共機関では簡単に自殺することが出来ないような工夫をしている。(高層ビルから飛び降りたり、地下鉄に飛び込んだりするのを防止する)しかし、相変わらず日本は自殺者たちの天国なのである。
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ちなみにこの「ヴェージャ」誌は週刊誌といっても日本の週刊誌のようにセンセーショナルにに読者を煽るような記事は少なく、どちらかというと物足りないくらい極めて中庸を得た穏当な記事が多いという気がする。(よく言えば上品、悪く言えば気取ってる感じ)
上記は、日本ではおなじみの議論だと思う。しかし遠くブラジルの雑誌記者がよくここまで調べたものだと感心する。歌舞伎についての言及は無理やりという気がする(結びつけるとしたら近松の世界?)し、仏教がそういうものだと決め付けてしまっているのも感心しないが・・・
私たち日本人は狭い島国の中で完結した出来事だと思っているかもしれないけど、それだけ世界中の人々の関心を集めるほど異常な現象であるということを忘れてはならないと思う。つまり、日本人はそれだけ特異な社会状況の中で生きているのである。